小説「ゴーストハント1 旧校舎階段」の紹介と感想

 

はじめに

先日、自宅の部屋を整理していたとき、偶然夏に近所の本屋で貰ってきた角川文庫の「夏のおすすめ本」なるパンフレットを発見した。そこにはあの最近公開された映画「すずめの戸締まり」の小説などの面白そうな書籍が沢山載っており、私は一旦部屋の整理を中断してパンフレットを読み始めてしまった。そうしてしばらく読み耽っていると、あるページに「ゴーストハント1」という題名の小説を発見した。私は本の概要を見て、直感で「これは面白そうだ」思った。作者はあの「十二国記」を書いた小野不由美先生だということで、最近あまりホラー小説を読んでいなかったこともあり、私は早速本屋に直行し、「ゴーストハント1 旧校舎怪談」を購入したのだった。

 

 

 

本の内容

※一応ネタバレ注意

 

本の内容は、主人公の麻衣が通っている学校には取り壊そうとすると祟りがある、という旧校舎の怪談があるのだが、ある日その学校に校長からの依頼で心霊現象の調査を行う「渋谷サイキックリサーチ(SPR)」という組織がやって来る。麻衣はそこでとある理由からその所長であるナルシストな17歳の少年・渋谷一也(通称ナル)と調査に加わった霊能者たちと共にSPRの仕事を手伝う、というものだ。私は本屋で買ってから家に帰ったあとすぐに読み始めたのだが、原作が少女雑誌に掲載されていたということもあり、主人公である至って普通の明るい女子高生・麻衣が語り手となって話が進んでいくため、特に混乱することもなくサラッと読めてしまった。また、ただオカルト要素だけしかない、などということはなく、「調査する」→「怪奇現象が起きる」→「それを科学的に解明する」が繰り返されるような流れで、霊や怪奇現象、さらにはポルターガイストなどにに関して学べることも多くあった。さらに、霊感があると主張する麻衣の同級生・黒田女史や、調査に参加する個性的な霊能者たちなど、紹介したいところは沢山あるが、全て紹介するとここには書ききれないので、ぜひ実際に買って読んでみてほしい。結末を知った時には思わず驚くであろう。

 

感想

ゴーストハント1 旧校舎怪談」を読んで、こういう「怪奇現象に科学の力で解明する」というジャンルは面白いなと感じた。それこそ、ただ怖いだけでなく、それを真正面から科学で解明する、しかし幽霊や怪奇現象の存在は否定しない、というのが今までの怪奇小説には無かった斬新さだと感じた。また、ホラーだけでなく、ミステリーなどの要素も含まれているため、読者を飽きさせない作りになっており、ある程度読むと「結末はどうなるんだろう」と気になってしまいページをめくる手を止められなくなってしまった。

さて、このゴーストハント、実は続編があるらしい。ということで、今度2巻を買って読んだらまた紹介と感想をブログで書きたいと思う。